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現物分割

現物分割は、共有不動産を分筆(※)して、分筆されたそれぞれの土地を、共有持分権者がそれぞれ単独所有する方法です。
(※)分筆とは、一筆の土地(登記簿で1個の土地とされているもの)をいくつかに分割することを言います。

現物分割

現物分割の選択

共有物分割請求訴訟において、分割方法として現物分割が採用されることがありますが、次のような場合は現物分割を選択しなくて良いこととされています。

  1. 不動産の分筆が禁止されている場合(不分割特約)
  2. 建物など、物理的に分けることができない場合
  3. 現物分割によって著しく価格を損するおそれがある場合

現物分割によって著しく価格を損するおそれがある場合

次のような場合に「著しく価格が損する恐れがある」とされます。

  1. 土地が極度に細分化することにより価値が大きく減少するケース
  2. 建築基準法の建築規制を受け建物の建築ができない土地となり、価値が著しく下落するケース

また、一括売却に比べて20%〜30%程度価格が下落する場合が目安とされており、10%程度の下落では著しい価格の下落とは認めないとされた判例があります。

このように、現物分割を選択しない場合は、換価分割(代金分割)を採用でき、競売によって売却するよう判決を下すことができます。

土地の現物分割

土地については現物分割できるケースが多いです。しかし、単に土地の面積を共有持分割合に応じて分割するわけではありません。土地の現物分割においては、土地の面積ではなく、土地の評価額を共有持分割合に応じて分配すべきです。土地の評価は、土地の形状、位置(接道の状況など)などの事情によって評価することになります。

土地の現物分割において、具体的にどのように線を引いて分割するかについて共有者間で対立が生じやすいです。一般的な考え方を示した判例がありますのでご紹介します。

「分割範囲を決定するにあたっては、原則として持分の割合に応じ、かつ、現に行われている使用収益の状況や隣接地との関係を考慮し、分割後の各範囲が位置的に、地形的に各所有者にとって最も利用価値が高くなるような方法を考えるべきである。」

実務的には上記判例を持って画一的に分割範囲を決定できるわけではないので対立することが多いです。

現物分割と他の方法の組み合わせ

不動産の共有物分割では、単純な現物分割を選択できないことも多いです。そのような場合、現物分割を選択できないのではなく、他の方法との組み合わせによって解決を図ります。

代償分割(価格賠償)との組み合わせ

現物分割をして、価値の不足分について代償金を支払って調整する方法があります。

区分所有との組み合わせ

建物については、物理的に分割することが困難であることが通常です。しかし、分譲マンションのように、建物が独立した各部分から構成されているとき、その建物の独立した各部分を所有することができます。これを「区分所有」と言います。構造上の独立性、利用上の独立性がある場合に区分所有が認められます。

現物分割のメリット・デメリット

現物分割のメリット,デメリットは以下のとおりです。

メリット

・共有不動産を残してそのまま利用したい持分権者が多い場合には,そのニーズを満たすことができます。
・不動産がそれぞれの単独所有になり,共有問題が終局的に解決します。

デメリット

・そもそも現物分割ができないケースがあります。一棟の建物の場合などは,現物で分割することがそもそも困難です。
・不動産を現物で分けることになりますので,どの部分を取得するかによって共有者間で公平を害する可能性があります。
・現物分割によって,不動産が細かく分けられますので(細分化),その利用に困難を来す可能性があります。結果,元々の不動産よりも価値が下がってしまう可能性があります。

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